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宅建の営業保証金とは?制度や種類について解説

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宅建業法を勉強していると、取引をスムーズに進めるためにいろいろな制度が用意されていることがわかります。

とはいえ、でも初学者のうちはどれも同じように思えて混乱してしまいそうです。そのうちの1つが営業保証金制度です。

そこで、この記事では営業保証金について、宅建アドバイザーの観点から解説します。

1分位で読めますし、宅建業法の勉強がスムーズに進む可能性が高いので、まずはご一読を!

営業保証金とは

営業保証金とは、あらかじめ宅建業者が供託所へ供託しておく保証金のことです。この営業保証金は、宅建業者との取引によって損害を受けた一般消費者である買主・借主に対して支払うためのものです。

本来であれば、損害が生じた時点で賠償をすればいいのですが、不動産取引の賠償金は多額になるため、宅建業者に資力がないと一般消費者は泣き寝入りをすることになりかねません。

そこで、消費者が確実に損害賠償を受けれるようにすることを目的として、宅建業を開業する前に一定の金額を確保して置く制度が営業保証金制度です。

営業保証金の供託額は、主たる事務所では1000万円、それ以外の営業所では500万円です。

なお、供託とは、金銭や有価証券を法務局などの供託所に金銭や有価証券を預けることをいいます。

そして損害が生じた場合に、債権者(この場合は買主・売主)に対して供託所が供託者(この場合は宅建業者)に代わって供託された金銭などを取得させてその債務を消滅させる制度です。

宅建業者は、免許権者である国土交通大臣または都道府県知事に対して供託した旨の届出をしないと事業を開始することができません。

営業保証金の保管替え

主たる事務所を移転し、営業保証金の供託先を変えることを営業保証金の保管替えといいます。

営業保証金を金銭のみで供託している場合と、有価証券を使って供託している場合とでその方法が異なります。

金銭のみで供託している場合

現在供託している供託所に対し、移転後の主たる事務所の最寄りの供託所への保管替えを請求します。

有価証券と金銭、または有価証券のみで供託している場合

遅滞なく営業保証金を移転後の主たる事務所の最寄りの供託所へ供託し、その後、従前の供託所に供託してある営業保証金を取り戻します。


有価証券を使って供託している場合には、現金の分を保管替えし有価証券の分を新たに供託することはできないので注意が必要です。

営業保証金の還付

営業保証金から債権の弁済を受けることを「営業保証金の還付」と言います。

還付を受けられる者

宅建業者と取引をし、その宅建業に関する「取引」について生じた債権を有する者に限られます。

取引の相手方である買主や借主などがそれにあたります。ポイントは、「取引」といえないケースを押さえることです。

広告業者や内装業者などは、宅建業に関する「取引」の債権者ではないので還付を受けることができません。

還付を受けられる額

還付額は供託されている「営業保証金の範囲内」に限られます。

債権額が2,000万円だとしても、営業保証金の額が1000万円ならば、残りの1000万円は営業保証金から還付を受けることはできません。

債権者者は残りの1000万円については、別の方法によって回収することになります。

供託金の不足

営業保証金還付の還付したことで営業保証金額に不足が生じた場合、宅建業者は還付した額に相当する営業保証金を新たに供託しなければなりません。

不足額の供託には期限があり、免許権者より不足の通知のあった日から2週間以内に供託しなければなりません。期限を過ぎると、業務停止処分を受けることがあります。

また不足額を供託したら、供託した日から2週間以内に供託した旨を免許権者に届け出なければなりません。

まとめ

宅建業法は比較的初学者でも理解のしやすい分野です。そのため早い段階で得意分野にしてしまうことが望ましく、またそうなると後の勉強が非常に楽になります。

宅建業法の理解を早めるコツは似た制度同士を比較しながら勉強することです。営業保証金の分野なら保証協会への加入の分野と一緒に勉強するのがおすすめです。

 

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