宅建士、マンション管理士、管理業務主任者は、不動産三冠資格と呼ばれています。この3つの資格を持っていれば不動産業界では一目置かれる存在です。
そのため、ダブルライセンス、トリプルライセンスを狙う人も珍しくありません。
仕事をしながら勉強するとなるとなるべく早く3つの資格を取りたいですし、できれば同時合格したいものです。
しかしそもそも、これらの試験に同時に合格することが可能なのか、疑問に思う人も多いでしょう。
そこでこの記事では、宅建士、マンション管理士、管理業務主任者の試験について解説します。
具体的には
- 宅建士、マンション管理士、管理業務主任者に同時に合格することは可能か?
- 各試験の勉強スケジュール
- 各資格の業務内容
の順番に重要なポイントだけをご紹介します。
2分で読めて、ダブルライセンス、トリプルライセンスに向けた勉強のモチベーションアップにつながる可能性が高いのでまずはご一読を!
宅建士、マンション管理士、管理業務主任者に同時合格は可能?
結論から言うと、十分に可能です。この3つの試験は、試験の形式や出題範囲の重なり合いが多く勉強の省力化を図ることができるのがその理由です。
各試験の概要
3つの試験の概要は次の通りです。
宅建士 | 管理業務主任者 | マンション管理士 | |
試験形式 | 4肢択一 全50問 | 4肢択一 全50問 | 4肢択一 全50問 |
試験日 | 10月中旬 | 12月初旬 | 11月下旬 |
試験時間 | 2時間 13時~15時 | 2時間 13時~15時 | 2時間 13時~15時 |
おおよその合格ライン | 7割 | 7割 | 7割 |
合格率 | 15%前後 | 20%前後 | 8%前後 |
出題範囲 | 民法(権利関係)、宅建業法、法令上の制限、その他 | 民法、区分所有法等、マンション管理適正化法、その他 | 民法、区分所有法等、マンション管理適正化法、その他 |
3つの試験には、試験形式などで共通点がたくさんあるのがわかります。なかでも注目すべきは、出題範囲の民法が重なり合っていることです。
宅建士の試験で出題される民法は、宅建業法に次いで出題ウェイトが高く非常に重要な分野です。
宅建士の試験対策として民法の勉強をしっかりやれば、それは他の2つの試験に直接活かすことができ、勉強の省力化が可能です。
また、マンション管理士の試験の出題範囲と管理業主任者試験の出題範囲も同じ範囲のため、マンション管理士試験で得た知識をそのまま管理業務主任者試験に活かすことができます。
各試験の勉強スケジュール
まず3つの試験に合格するのに必要な勉強時間を確認しましょう。
- 宅建士 300~400時間
- マンション管理士 500~600時間
- 管理業務主任者 200~300時間
上記はあくまで一般的なものであることに注意してください。記憶力や理解力には個人差があるので多少は前後します。
各試験の勉強の具体的なスケジュール
受験する順番は、試験のスケジュール通り①宅建士、②マンション管理士、③管理業務主任者になります。
宅建士
宅建士の勉強は余裕を見て4月には始めた方がいいと思います。10月の半ばまでは宅建士の勉強1本でいいでしょう。
マンション管理士試験
宅建士の試験終了からマンション管理士の試験日までは約6週間あります。その間に宅建士の勉強と被らない部分を勉強することになります。
マンション管理士試験に向けて勉強しなければならないのは主に以下の範囲です。
- マンション標準管理規約
- 被災マンション法
- 建替え円滑化法
- マンション管理適正化法
これらの部分をマスターするのに必要な勉強時間ですが、先の宅建士の勉強で学習が済んでいる部分を差し引して200時間ほどが必要になるでしょう。
6週間の間に平均して1日5時間勉強しなければならず、かなりハードですが短期決戦で乗りきりましょう。
管理業務主任者
マンション管理者試験が終了してから管理業務主任者試験までは、わずか1週間しかありません。
宅建士の試験とマンション管理士の試験で合格レベルに達するだけの点数が取れていれば、管理業務主任者の試験に必要な知識はほぼカバーできていると言ってよいです。
後は時間の許す限りそれまでやってきたことの復習にあてればよいでしょう。
各資格の業務内容
宅建士、マンション管理士、業務管理主任者の各業務は次の通りです。
宅建士
宅建士の試験は毎年約20万人前後が受験する大型の国家試験です。法律系の資格試験の登竜門と言われていて比較的手軽に勉強を始めることができるのが人気の理由です。
不動産業者は、従業員5人に1人の割合で宅建士を置くことを義務付けられているため、宅建士の需要は常に安定してあります。そのため宅建士の資格をもっていると不動産業界への就職・転職が非常に有利になります。
マンション管理士
マンション管理士は、マンション管理適正化法により平成13年にできた比較的新しい国家資格です。
マンション管理士は、マンションの管理組合や所有者に対するアドバイザー的な役割を担っています。
分譲マンションは、住民間はもちろんのこと住民と管理組合、管理組合と管理会社間でさまざまなトラブルが生じます。
このようなトラブルに対してマンション管理士はマンションに関連する法律や専門知識を使って適切なアドバイスをして解決に導きます。
管理業務主任者
管理業務主任者も、マンション管理士と同様にマンション管理適正化法により国家資格となりました。
現在多くのマンション管理組合は、管理会社に管理を委託しているのが現状です。
そのマンション管理会社の従業員として、管理委託契約時に管理組合に対して重要事項の説明を行ったり、管理状況の報告を行うのが主な業務です。
まとめ
ここまで
- 宅建士、マンション管理士、管理業務主任者に同時に合格することは可能か?
- 各試験の勉強スケジュール
- 各資格の業務内容
について書いてきました。
うまくスケジュールを立てれば同時に合格できることがわかったと思います。
まずは試験までどれくらいの勉強時間を確保できるか確認しましょう。
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