宅建士試験

宅建士が不足している?業界の現状について解説

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「宅建士が不足している」「不動産会社が宅建士を募集しても応募がない」こんな話を聞いたことがないでしょうか。

とはいえ、毎年、宅建士試験にはたくさんの合格者が誕生しているのに、なぜ足りないの?

と疑問に思う方も多いと思います。

そこで、この記事ではそんな、業界のおける宅建士の現状について宅建アドバイザーの観点から解説したいと思います。

具体的には、

  • 法定で定められている宅建士の設置
  • 宅建士の不足が顕著な中小企業

の順番に要点だけをご紹介していきます。

1分くらいで読めますし、宅建士として就職・転職する際の参考になる可能性が高いので、まずはご一読を!

法定で定められている宅建士の設置

ご存知の方も多いとは思いますが、宅建業法により1つの事業所では5人につき1人以上の割合で成年者で専任の宅建士を設置することが義務付けられています。

不動産取引は高額な金銭のやりとりや専門的知識を必要とします。専門知識を持った宅建士が業務に従事することで、不動産取引の知識がない一般消費者が後で不利益を被ることにのないようにしているのです。

ここでいう専任の宅建士とは、「常勤性」と「専従性」の二つの要件を満たす宅建士の事をいいます。基本的にはフルタイムで勤務している宅建士のことになるでしょう。

専任の宅建士の設置は、宅建業を開業するにあたっての法定要件のためこれを満たさないと開業すらできません。

また、退職などで人数が不足した場合には、2週間以内に補充処置を取らなければなりません。

違反行為には罰則規定があり、場合によっては免許取消し処分という極めて重い処分を課せられることもあります。

宅建士の不足が顕著な中小企業

昨今、人手不足の問題が深刻化しています。とりわけ飲食業や介護などの分野でその傾向は顕著のようですが、不動産業界もまたその例外ではありません。

特に中小規模の宅建業者は宅建士の確保に非常に苦労しているようです。

以前は募集をかければ、それなりの応募があり少なくとも欠員を生じるようなことはありませんでした。

中小企業が宅建士の確保に苦労している事情には次のようなものが考えられます。

  • 人材が大手に流れている
  • そもそも宅建士として登録しない人もいる
  • 離職者が多い不動産業界
  • 他業界で宅建士の資格を活かしている場合がある

人材が大手に流れている

従業員の割合に応じて宅建士を設置しなければならないのは、大手の宅建業者であっても事情は同じです。

大手であれば従業員が多くなればその分必要になる宅建士も多くなるため、積極的に採用を行っている宅建業者も珍しくありません。

つまり宅建士を確保しなければいけないのは大手であっても同じです。

そのためかつては、大卒しか採用しなかった大手の宅建業者でも、宅建士の資格と語学力やITの専門的知識を有していることを条件に高卒者を採用するケースがあるようです。

高卒であるために中小の宅建業者への就職しか選択肢がなかった人たちが大手に流れているのが、中小の宅建業者の人手不足を深刻化させている要因の1つのようです。

そもそも宅建士として登録しない人もいる

せっかく難易度の高い宅建試験に合格したにもかかわらず、その資格を活かさずに埋もれたままにしている人はたくさんいます。

宅建士試験の受験者は毎年20万人近くにもなりますが、司法書士や司法試験などの受験生が腕試しのために受験したり、自己啓発のために受験するケースが珍しくありません。

宅建士の試験に合格したが自分が合格したことすらすっかり忘れているという人も珍しくありません。

受験の動機は実にさまざまです。

離職者が多い不動産業界

不動産業界は比較的人の出入りが激しいといわれています。不動産会社は厳しいノルマを課す場合が珍しくありません。

ノルマを達成できず営業成績が振るわなければボーナスに響きます。また歩合給の割合が多い給与体系の会社に勤めている場合にはそれこそ生活そのものが厳しくなるということもあります。

そういう状況を嫌って不動産業界から離れ別業界に転職する人は珍しくありません。これも宅建士が足りなくなる要因でしょう。

他業界で宅建士の資格を活かしている場合がある

宅建士の資格が活かせる業界は、不動産業界だけではありません。

建設会社では、自社で建築した新築のマンションの販売まで手がける場合があります。そういう場合には、建設業の免許のほか宅建業の免許を取得しさらに宅建士を置かなければなりません。

また銀行などの金融業界でも宅建士の資格をもって活躍してる人はたくさんいます。

不動産担保ローンを取り扱う場合、不動産に関する専門知識がないとその土地や建物の正確な担保価値を把握することができないため、融資業務に支障が出てしまいます。

そういう事情があり銀行や信用金庫でも宅建士の資格をを持っている人は歓迎されます。

まとめ

ここまで

  • 法定で定められている宅建士の設置
  • 宅建士の不足が顕著な中小企業

について書いてきました。

少なくとも全般的に宅建士は不動産業界において不足しているといえるようです。宅建士の資格を取得してその後就職や転職を考えている人にとっては追い風と言えます。

後はより条件がよく、また自分にあった職場をじっくりと見極めて探すようしましょう。

そのためにはネット上の求人情報はもちろんのこと口コミなども含めて幅広く情報収拾することが必要です。

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